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家具収納・インテリア雑貨専門のハウススタイリング(house styling)

HS the interview:abode

プロダクトのデザイン、製造、販売などの最前線で活躍する“人”に、ものづくりに対する姿勢やこだわりや哲学について語ってもらう企画 「house styling the interview」。
第3回は、デザインプロダクトをプロデュースするレーベル〈abode〉。ハウススタイリングでの取り扱いも長い、大切なパートナーです。代表の吉田さんにアイテムへのこだわりやプロダクトが生まれるまでのサイドストーリーなど、お話を伺いました。

シンプルなデザインや仕組みでありながらも、暮らしを豊かにしてくれる家具やインテリアをプロデュースするブランド〈abode(アボード)〉。「abode」とは、英語で「住居」という意味。人の生活の基本となる住空間に主軸を置いたプロダクトを展開する〈abode〉のプロダクトは、さまざまなデザイナーとのコラボレーションから生み出されたもの。そのどれもが個性的で独特の存在感があるけれど、余計なものを削ぎ落とすことで洗練されたデザインには一貫性があり、強い世界観を放っています。すぐれたデザインプロダクトを送り出しつづける、〈abode〉の代表をつとめるのは吉田 剛さん。「目指すのはライフスタイルにアクセントを付け、感性を心地よく刺激する製品」「優れた品質を求めた結果、すべての製品はmade in Japan」と、プロダクトに強いこだわりをもち、ものづくりに打ち込む吉田さんのインタビューをお届けします。

「〈abode〉として独立したのは2008年です。その前は木工メーカーに勤めていて、家具やインテリアプロダクトのプロデュースをしていました。 〈abode〉というブランドはメーカー在籍時から手がけていたんのですが、そのままブランドをもって独立したような形ですね。今は、デザイナーとタッグを組み、ジャンルにとらわれずにプロダクトを企画するプロデューサーをしています」 ハウススタイリングとは前職のメーカー勤務のころにバイヤーに商品を気に入ってもらい、商談をしたこともあったというから、実は長い付き合い。 当時は条件などが合わずに取引とはなりませんでしたが、独立後に発表したアイテムはいくつもカタログやウェブで展開しています。 今回は、ハウススタイリングでも取り扱っている、〈abode〉のメインプロダクトを吉田さんに紹介してもらいました。デザインや機能のことや、商品が生まれたきっかけなど、カタログからは見えてこない貴重なコメントをお届けします。

#1 puppyシリーズ

「古くからあるアイテムといえば〈Rocking Puppy〉という子供用の遊具です。子犬をイメージした木製の遊具なのですが、子供用であってもリビングなど部屋のなかに置いた時の雰囲気を大切にしたいという思いから、木工メーカー在籍時の2003年に誕生しました」 〈Rocking Puppy〉は〈abode〉のプロダクトラインのなかでもずっと売れているロングセラーのひとつ。はじめは子供向けにソリがついたタイプのみでしたが、ソリを外して玄関で靴を脱ぎはきするときのベンチ代わりにしているのを見て、〈Still Puppy〉という兄弟アイテムもラインナップするように。「ソリの部分は一般的な木馬よりも傾斜が浅くなっています。見た目の美しさはもちろん、乗って遊ぶことを考えてのことです。 〈abode〉のアイテム全般に言えることなのですが、基本的には無駄な装飾をせずに見てキレイだなと思うモノになるように工夫しています。あとは機能として必要な構造がデザインのアクセントになるよう心がけています。例えばシェルフのカラフルなバンドが、ねじれ防止の筋交いの役目を担っていたり、ラックのアクセントになっている白い部分が、実は滑り止めとしてのゴムのペイントだったり。子供向けの商品はシンプルにしたいというのもあるのですが、直線ばかりではなく曲線を効果的に入れて、かわいらしさが出るようにしています」

#2 FLUSKシリーズ

最低限のアレンジでインテリアをつくる。その象徴とも言える商品が〈フラスコ〉シリーズです。化学の実験で使う三角フラスコを照明に作り変えたアイテムが3タイプ、ラインナップしています。その基本は、フラスコのなかに電球を入れた遊び心いっぱいの照明。ランプを支えている支柱や留めているパーツも実験器具をカスタムしたものです。白のペイントをしたり、ヘアライン加工をしたりするだけで、なるべく「そのまま」を大事にしている、と吉田さん。
「光を拡散させる効果も持たせるためにフロスト加工を施しているのですが、フラスコの中に溶液が入っているのをイメージしています。また実際に実験で使用しているクランプなどの器具もそのままインテリアの一部にしました。最初はペンダントライトからはじめたのですが、のちにテーブルランプとフロアランプが加わりました。実は、この器具を作っている化学器具のメーカーさんが面白がってくれて、カスタムを受けてくれたことがあっての商品化でした」

#3 PVCSシリーズ

5本脚のコートハンガーと2つの3本脚に柄を渡したワードロープがラインナップしている〈PVCS〉シリーズ。ジョイント部分には型抜きしたPVCという塩ビ素材を使ったシンプルな家具のラインだ。
「仕組みはとてもシンプルで、棒同士がPVCの摩擦で固定されるようになっています。PVCを棒に通して広げるだけと組み立てはとても簡単。去年の冬に展示会をまわっていたときにデザイナーさんがプロトタイプを展示していたのですが、すごい発想だなと感心したんです。ほんとうにシンプルだし、〈abode〉のコンセプトにズバリなデザインだったんです。こんなに単純なのにいいものはないなあと思って、声をかけさせていただきました」 そのデザイナーさんも何社かから商品化の声がかかっていたのですが、最終的には〈abode〉を選んでもらったのだとか。展示会後にはすぐに商品化を進め、今年の2月の展示会に出展。
「実はこのデザイナーさんはメカ系の設計が得意な方なんですが、そもそもはPVCを使って何か作りたいということだったみたいです。商品化にあたってはPVCの厚み、丸棒の太さや長さを検証しました。適度な柔らかさがあるので耐久性を気にする方もいますが、プラスチックよりも強度は高いんですよね」 棒部分の素材はホワイトアッシュ。野球のバットで使われるような強度の高い木材です。 「ありそうでない発想ですよね。今はコートハンガーとワードローブを出しているのですが、ゆくゆくはもっとアイテムを増やしたいと思っています。ちょうどサイドテーブルを考えているのですが、脚と天板のジョイントが難しくて。ビスで留めるのであれば簡単なのですが、他のアイテム同様、使用しないときは容易に折り畳めるように、PVCの摩擦を利用して簡易固定したいと思っています。そこで天板の裏側をを楕円状にしゃくり、PVCと丸棒の先を入れて固定するという仕組みを考えています」

#4 SHOJIシリーズ

「〈SHOJI〉をデザインしているのは、ロンドンベースでデザインをしているタイ人デザイナーさんです。これも結構息が長い商品なのですが、もともと彼がデザインしたものは仕切りがセンターにあったんです。商品化の際に他のデザイナーが「日本の違い棚のようにちょっと7:3くらいにずらすといい」というアドバイスを受けて、少しだけアシンメトリーなデザインになっています。そのデザイナーさんの名前がSHOJIさんだったので、粋な計らいということで商品名になったという裏話もあります(笑)」 もともと奥行きがそれほどない商品でしたが、テレビがブラウン管から液晶に変わっていったこともあり、低いタイプはテレビ台としても使われるようになったと予期せぬ嬉しいハプニング。奥行きがあまり深くなく、無垢材を使用、さらにシンプルなデザインのシェルフはありそうでないアイテムなのだとか。

#5 feeltシリーズ

「2013年に野木村さんと吉川さんという2人のデザイナーが立ち上げたブランドです。1人が活動拠点を海外に移したこともあってブランドを引き継いたんです。素材は100%ポリエステル。ただ熱圧縮しているので一般的にイメージするポリエステルとはちょっと違います。仕組みは、融点の違う素材を入れて熱圧縮しているのですが、温度を上げると低融点のものが先に溶けて接着剤の役割を果たします。表面の繊維感は高融点のポリエステルの質感です」 触ってみると思いのほか硬い触り心地。素材に強度があるため、カットの際に1mm残すことで折リ曲げることもできます。しっかりとした摩擦があるので組むことができ、水にも強く変形しにくいと、加工の幅が広いのも魅力。「現在はこの素材の特性を生かした、子供用のチェア、テーブルなどを開発中です」

#6 abode×EDWINシリーズ

「エドウィンのジーンズを作るときの裁断端切れをクラッシュして、繊維状に戻したあとポリプロピレンの繊維を混ぜて熱圧縮しています。PPは無色なので、色はジーンズのインディゴの色そのもの。よーく見てみるとステッチの赤や黄色なども入っています。カットしてから表面を研磨して、ウレタンを塗装しています。そうすることで大理石のような雰囲気になっています」 デザイナーの方が面白い素材を探してるときに、廃棄された衣類の繊維を固めた素材をみつけ、その技術元が京都繊維大学だったことから、大学に直接コンタクトを取ってみたところ、教授の方が来てみたら?と言ってくれたこともあり、研究室を訪れてみてみることにしたのだとか。そのときに、たまたま学生さんがジーンズの繊維を固めたものを作っていて、これは面白いと思ったのが企画のきっかけです。捨ててしまうような端切れなのでもともとはボロギレ。国内でジーンズの製造工場を持っていて、大量に素材がでるのがエドウィンだったため実現したコラボレーションアイテムがこの〈abode × EDWIN〉シリーズです。

 

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