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家具収納・インテリア雑貨専門のハウススタイリング(house styling)

HS the interview:tent

プロダクトのデザイン、製造、販売などの最前線で活躍する“人”に、ものづくりに対する姿勢やこだわりや哲学について語ってもらう企画
「house styling the interview」。
第5回は、デザインユニット〈TENT(テント)〉のデザイナーの治田将之さんと青木亮作さんにインタビュー。ふたりが〈TENT〉として活動をスタートさせた頃のお話から、プロダクトの解説まで、プロダクトに込められたストーリーを伺いました。

TENTは2011年に治田将之と青木亮作の2人によって結成され活動を開始したクリエイティブユニットです。
見て楽しく、使う程に愛着が湧くものづくりをテーマに、テーブルウェア、家電、インテリア用品などのプロダクトデザインを行なっています。
プロダクト開発を中心に据え商品企画、パッケージ、Web、アプリUI、展示空間プロデュースなど、コンセプトからのトータルなデザインを得意としています。www.tent1000.com

〈TENT〉は、2011年にデザイナーである治田将之さんと青木亮作さんによって結成されたクリエイティブユニット。
「見て楽しく、使う程に愛着が湧くものづくり」をテーマにした、テーブルウェアや家電、インテリア用品などのプロダクトデザインを行なっています。
〈TENT〉の大きな特徴は発案からデザインだけでなく、プロダクトの生産や販売まで一貫して行っている「メーカー」としての一面も持ち合わせていること。
その根底には、「自分たちが使いたいものをつくりたい」という思いがありました。

治田:2011年の秋に青木とふたりで〈TENT〉を結成しました。インテリアライフスタイル展への出展がきっかけだったのですが、それまではそれぞれ個人のデザイナーとして活動していました。 実は、10年くらいひとりでデザイナーをしていたんです。当時は、大手の家電メーカーさんがクライアントで、外部のデザイナーとしてデザインの受注を受けていました。パートナーの青木は、もともと電機メーカーのインハウスデザイナーをしていて、「インハウスデザイナーと仕事を受ける外注先のデザイナー」として知り合ったのがはじまりです。

青木:それが2007年くらいのことですね。それからメーカーをやめて、別の会社にうつったのですが、ずっと関係はつづいていて、愚痴とか悩みを聞いてもらったり(笑)。そのあとも、メーカーを退職してから繋がっていて、一緒にプロジェクトをしようかという話になって、展示会に出展することになったんですよね。
当時はひとりでデザインの仕事をしていたのですが、2人で展示会に出せば出店料が半分になると思って(笑)。実際に出展してみたら結構評判がよくて、〈TENT〉を結成して、会社としてやっていこうと決断しました。

治田:彼もそうなのですが、もともと電機メーカーの仕事をしていたので、〈TENT〉では金属やプラスチックのような固い感じではなく、もう少しリラックスしたイメージのプロダクトをつくりたかった。
たとえば、木や皮を使った、ホッとできるものがよかったんです。なので、今は電機っぽいものだけでなく、ドリンクウェアなどの生活用品に力を入れています。

青木:そんな思いもあって、展示会ではコップやトレーといった生活により近いものをメインに出展しました。アクリルを曲げてつくった本を広げておく『BOOK on BOOK』というもの。
本の上に乗せるだけで、好きなページを開いたままにできる「透明な本」なのですが、これは個人でやっているときからコンセプトはあって、ようやく〈TENT〉で日の目を見たアイテムです。

青木:『Saki-nerune Light』は隣で眠る人に気を使って半分ずつ点けたり消したりできる2人暮らし向けのベッドサイドライト。『Straw Light』はストローの蛇腹構造を応用したLEDライトなのですが、まっすぐでOFF、曲げるとONになるもの。これは結構ネットで話題になりました。
ソーラーパネルがついていて、昼間充電する『Madogiwa Lantern』というのもあります。窓際に吊るすだけで、明るい昼間はソーラー充電ができ、暗くなると自動点灯するソーラーランタンです。

治田:実は、出展するときにユニット名が必要ということで〈TENT〉という名前をつけたんです。それまでは展示会には出したこともなくて、 「自分たちで提案する」ということ自体がはじめてでした。
それまでひとりでやってたときは、来年の企画があって、そのためのデザインをするという受注型でした。それが〈TENT〉になってからは、自分たちで企画して、作ってくれる会社を探す企画型の提案と、自分たちで考えて自分たちでつくって、自分たちで売るということにもチャレンジしています。今はその3つを柱に〈TENT〉を運営しています。

青木:直販のネットショップもあるのですが、〈TENT〉のプロダクトを気に入ってくれる小売店にも卸しています。実際に売り始めたのは、2013年から。実は、はじめて出展したときはどこかの会社がつくってくれないかなと思ってたんです。
でも、ぜんぜんそんなに甘い話はなくて(笑)。というのも、お話をいただいていた会社もあったのですが、メーカー側が試作をしたりしても、突然プロジェクトが終わってしまったり…というのがあったんです。それでもう自分たちでやろう!と火がついたんです。工場も知り合いに紹介してもらったり、ネットで探したり。コストとか製作納期とか…いろいろありましたけど。

普通のデザイン事務所って、受託だけやって経営を成り立たせることができるのですが、それだけではなく、自分たちで企画からデザイン、 生産の管理、販売までをやってみたかったんです。でも販売のことはまったく知らなかったのもありました。当初はなかなか大きな規模ではできなかったのですが、プロセスは同じことなのでいい経験になりました。今ではカタログからウェブまでプロモーションも全て〈TENT〉でやっています。

治田:〈NuAns TILE〉は、クルッと隠すことのできるロータリー式充電ドックを備えたLED照明。リビングのテーブルなどで使ってもらいたいと思っています。ドックになる部分をまわすとiPhoneのライトニングコネクターが出てきます。
iPhone自体を立てかけることもできる、充電台兼照明器具という感じです。

ドック部分が自由に回転するので、このiPhoneからiPadまで自由に置くことができるんです。背もたれの柄の部分の表面はやわらかいエラストマーになっているので、iPhoneに傷がつかないような配慮もしています。LEDの性能としては、電球色と白色を用意。クリックで色を変えることができます。
長押しで調光もできるんです。後ろにはUSBのコネクターもあるので、もうひとつ別の機器も充電できます。

もともとLEDの照明をやりたいという話があったのですが、そもそもの要望はベッドサイドに置ける「ライトと目覚ましをひとつにしたもの」ということだったんです。ふたりでアイデアを練って、「充電と照明だけにしぼっていけば…」とシンプルなデザインになっていきました。
素材はアルマイト処理を施したアルミ素材。素材自体はシャープなのですが、ちょっとしっとりしたような質感がでるように、微細なブラスト加工を施しています。
『TILE』の名前にもなっているように、2枚のタイルに柱が通っているだけというシンプルな構成が特徴です。

青木:親しみやすい佇まいの傘の内部に、高音質スピーカーを搭載したLED照明です。真ん中にスタンドがあり、iPhoneを接続すると専用のアプリが立ち上がります。アプリには、『おやすみモード』という機能があって、眠くなってきたなあというときに音が消えるように設定できるんです。もちろん目覚ましとしても音楽を鳴らすことも可能。
やはり大きな特徴はスピーカーをライトの傘に組み込んだ構造です。もともとは電球があった位置なのですが、周囲にLEDを配置することで空いた真ん中のスペースにスピーカーを入れています。

『NuAns CONE』は最初のイメージから模型づくりまで、デザイン自体はそれほど変わらなかったんです。ただ、実際にプロダクトとして作れるか、ヒンジとかカチッと止まるところなどは苦労しました。
このアイテムを作っていて面白いなあと思ったのが、大手のメーカーであれば、デザインからプロダクトに落としこんでいくときにコストや技術面で避けてしまうものであっても、こだわり抜いて製品に反映できるということ。デザイナー主体のユニットと大手メーカーの違いですね。
ほかには、異素材での色合わせもとても大変。樹脂と塗装ではなかなか合わなくて…。

青木:タグのような部分を引き出すとLightningケーブルが出現する、薄型で大容量のモバイルバッテリーです。ほかの小物を傷つけたりしないよう、フェルトでカバーしています。見た目はちっちゃいんですけど、バッテリー容量は6000mAと大容量。
基本的な使い方は、iPhoneにかさねて、ライトニング端子を取り出して接続するだけ。バッテリーとiPhoneがひとつになるようなデザインになっているので、電車のなかでも話しながらでも、使いながら充電することができます。シンプルにすることで、ケーブルがごちゃごちゃしなくて、すっきりさせています。デザインはもちろん、実際の使用感もいいと思いますよ。

青木:〈TENT〉では、自分たちが考えたプロダクトで今ある生活がよりよくなったらいいと思っています。そして、それが実感できればもっと嬉しいし、幸せなこと。自分が使っていいもの、ほかの人が使っていいものを作っていきたいですね。
《NuAns》ブランドのプロダクトは、プライベートでも仕事でも使っています。ふたりで組んでからは、自分たちが使いたいものがほとんど。毎日使っていますね。

治田:ちなみにデザイン作業では役割分担はありませんが、ふたりとも同じスキルを持っているので、それぞれがアイデア出しからモックづくり、意見交換などをしながら作っています。僕が「よくないなあ」なんて言ってたら青木が「いいじゃんそれ!」っていうこともありますし(笑)。
ひとりで思い悩むよりも、二人でやったほうがいい。そこが〈TENT〉の強みですね。
これからは、アイテムの範囲も広げたいのですが、今やったものがきちんと市場に出て、いろんなフィードバックをもらうことを大切にしたいですね。そこから次のステップを考えたいと思っています。

青木:デザインされたものだからというのではなく、幅広くいろんな人に使ってもらいたいと思っています。なので、ハウススタイリングのお客さんに気に入ってもらえれば…とても嬉しいですね。

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