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「表面のデザインに一定のリズムのようなものが感じられたので“タンゴ”と名付けたんです」
デザイナー・五十嵐久枝さんのチェスト「タンゴ」は金具などの取っ手なしに引き出しを空けられるのが特徴。扉部分が曲線になった箱形の引き出しを交互に組み合わせることで生まれた「手がかりのスペース」を利用して引き出しを開ける。
取っ手のない独特の表情はネーミングにもつながったのです。
「そもそもタンゴは異素材をまったく使わず、木だけを使い、金具の取っ手などをなくしたチェストができないか、と考えたのがきっかけ。和箪笥には取っ手がなくても開けられる物もあったのですが、その技術をデザイン、つまり意匠的な特徴としてとらえたのです」
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それまで五十嵐さんのプロダクトは、どちらかというと無機質な素材を用いることが多かったそうですが、タンゴによって「木の可能性」に気づかされたそう。
「言葉で表現するのが難しいのですが、私はプロダクトをデザインするうえで、カチンカチンでもフワフワでもない「ほどよいなめらかさ」を感じてもらえることを意識しています。タンゴは、それを上手に表現できました」
だからタンゴが一番映えるレイアウトは、白い壁の前にポツンと置くことだとか。 「いっぱいある家具の隙間に置くよりも、表情が豊かになるんですよね。あとは花を飾ったりするなど、好きに使ってもらってかまわない」 タンゴの美しい曲線が生み出す「ほどよいなめらかさ」。お部屋で感じてみたいですね。
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写真のチェストは大きさの違う引き出しを並べることで「ほどよいなめらかさ」を表現できたという。タンゴとはまた違う五十嵐さんのチェストへのアプローチだ
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Hisae Igarashi 五十嵐久枝
1986年桑沢デザイン研究所インテリア・住宅研究科卒業。クラマタデザイン事務所を経て、93年イガラシデザインスタジオを設立。家具デザインを中心にショップ、住宅、インスタレーションなど幅広く活動
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