





「TON」は1860年創業の曲木の技術を使った家具を製作しているチェコの老舗メーカー。
なかでも美しい曲線を描く曲木のチェアは、ハウススタイリングのカタログのなかでいつも人気のアイテムです。
この度、ハウススタイリングのバイヤースタッフはなんとTONの本社と工場がある東欧の国チェコへ。
TONのチェアがどのような場所で、どのように作られているのかを見て来ました。
今回は、その内容をレポートしたいと思います!

チェコのプラハ空港から東へ約2時間。「街よりも大きい」と言われるTONの工場は、その話の通り、いくつもの建物が広大な敷地にまたがって立ち並んでいました。TONの工場は、創業された1860年代からこの地にあり、なかでも時代を感じさせるレンガ造りの建物は1870年から使われているとのこと。TONのアイテムのクオリティの高さが、歴史の重みに裏付けされていることを感じます。
ショールームには19世紀後半の貴重なプロダクトのほかに、最新のモデルなどが展示されていました。また、敷地内にある線路は、かつて輸送に使っていた鉄道の名残り。今では完成した製品はトラックで運送されているそう。ちなみに、TONの車に書かれている文字は「テーブルと椅子 TON」というとてもシンプルなもの。かわいらしい椅子のアイコンとカラーリングが印象的でした。
さて、工場の内部では、実際に「木を曲げる」行程を見せてもらいました。ずっとTON特有の美しい曲線の椅子が出来るのかとても気になっていたんです。行程を簡単に説明すると、まず整えられた木材は釜で100℃以上に蒸されます。そうすることで木が柔らかくなり、曲げることができるようになるとか。 2次元、つまり一方向への「曲げ」は機械で加工されるのですが、TONの曲げ木椅子の特徴の背もたれの部分など3次元の立体的な「曲げ」は、すべて職人さんの手によって行われます。2m以上もあるアツアツに蒸された木材を、職人さんが2人掛かりで曲げながら鉄の型にはめ込んでいきます。「木ってこんなに曲がるの!?」というほど、なめらかに、そして手早く加工されていく「職人技」に関心しきりでした。この後乾燥させて形が固定されたら、各パーツを組み込んで完成です。
工場の近くやプラハ市内のレストランではもちろん、立ち寄ったパリでもTONの椅子はいろいろな場所で見かけました。実は、日本のカフェやレストランでもよく利用されているんですよ。もし、軽くても丈夫そうな曲げ木の椅子を見かけたら、座面の裏側をチェックしてみてください。もし「made in CZECH」とあればほぼ間違いなくTON。「made in CzechSlovakia」なら、1992年以前に作られたTONの椅子の可能性が高いです。ちなみに工場では、今も1日に2000脚も出荷していて、年間の生産数はなんと50万脚(!)とのこと。なかには30年以上も同じ椅子を組み上げている職人さんもいるそう。あのレンガ造りの工場で生まれた「兄弟」たちは、時代を越えて世界中いろいろな場所で活躍しているんですね。
150年以上も変わらず愛されるTONが誇る曲げ木の椅子。今もチェコでひとつひとつ丁寧に手作りされていました。日本まではるばる海を越えてやってくるTONの椅子の魅力を、多くの人に楽しんでいただけたらと思います。

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